稟議の書き方を効率化する方法
稟議書の書き方はフレームワークで効率化できる
稟議書は、「必要な情報を集める→型に沿って書く→内容を確認する」という3工程に分けると効率よく作成できます。書き始める前に必要な情報と手順を整理し、記入漏れや差し戻しを防ぎましょう。
稟議書の目的は、承認者が必要性と費用を判断できるようにすること
稟議書(りんぎしょ)とは、申請内容を関係者へ回覧し、承認や決裁の判断を得るための文書のことです。稟議と決裁は混同される傾向もありますが、稟議は複数の関係者に順に確認を求める過程を指し、決裁は最終的な承認権限者が可否を判断する行為を指すこと明確に分けて考えましょう。ただし、文書の名称や決裁権限の範囲は会社ごとの規程によって異なるため、実際の運用は自社のルールに従う必要があります。
稟議書の目的は、承認者が申請の必要性と費用を的確に判断できるよう、判断材料を過不足なく示すことにあります。
作成時間だけでなく、差し戻しと承認待ちも減らす
稟議書に関する悩みは、「書くのに時間がかかる」「資料不足で差し戻される」「承認者が誰か分からず手続きが止まる」の3つに分けると対応しやすくなります。それぞれの悩みの原因は異なるため、一つの対策だけでは解決しにくい点に注意が必要です。
まずは必要情報を集め、項目表や例文を参考に作成し、提出前チェックで不備を確認するようにしましょう。
稟議書を書く前に集めたい情報と確認事項
社内の書式・決裁基準・承認ルートを確認する
まずは、最新のテンプレートや金額別の決裁権限、申請期限、必要な添付資料、承認ルートを確認します。関連部門への確認事項も先に洗い出しておくと、差し戻しを防ぎやすくなるでしょう。過去の承認済み稟議は参考になりますが、金額や契約条件は案件ごとに確認します。
目的・費用・効果・リスクを一枚のメモにまとめる
「困っていること/実施内容/比較候補/初期・継続費用/効果の根拠/実施希望日/懸念と対策」を一枚のメモに整理しておくと、本文を書きやすくなります。見積書や仕様書、現状の作業時間など根拠となる資料も先にそろえましょう。
関係部門への事前相談は、あくまで論点を確認するために行い、正式な承認は所定の手続きで行います。
稟議書の基本的な書き方|項目ごとの記入例
件名・申請内容は「何を承認してほしいか」から書く
件名や申請内容は、承認者が「何を判断すればよいか」をすぐ理解できる形で書きます。件名、起案日、所属・氏名、対象、数量、希望時期などを整理し、件名は「営業用ノートPC○台の更新申請」のように具体化しましょう。
また、書式が異なっても対応できるよう、各項目には記載内容と短い記入例を添えておくことをおすすめします。
目的・起案理由は「現状の課題→必要な対応→期待する効果」で書く
目的や起案理由は、「現状の課題→必要な対応→期待する効果」の順で整理します。個人的な希望ではなく、業務上なぜ必要なのかを示し、課題と対応策のつながりが分かるように書くことが大切です。
理由をさらに深掘りしたい場合は、別記事「起案理由が思いつかない」も参考にしてください。
金額・契約条件・費用対効果は判断できる形にそろえる
費用については、初期費用、月額・年額費用、契約期間、税の扱い、比較見積もりを分けて記載し、見積書の金額と一致させます。効果についても、実測値と試算値を区別しましょう。
なお、作業時間の削減を金額換算した値と実際に減る支出額は、必ずしも同じとは限らない点に留意してください。
リスク・対策・添付資料まで記載して説明不足を防ぐ
案件に関係するリスクや対策も記載します。たとえば、移行時の業務停止、社員教育、既存環境との適合性などです。本文には承認判断に必要な要点をまとめ、仕様書や見積書など詳細資料は添付に分けましょう。
本文中に添付資料名を記載しておくと、承認者が確認しやすくなります。
承認を得やすくする書き方と提出前チェック
結論を先に書き、数字と比較で根拠を示す
「業務効率化のため導入を検討しました」と背景から長く説明するのではなく、「○○システムを年間○円で導入したい」のように、申請内容と費用を先に示すようにします。専門用語には説明を添え、数字や比較表、箇条書きを使って根拠を整理しましょう。
もちろん、いかに書き方だけを工夫しても、必ず承認されるというわけではありません。
差し戻しの原因になる記載漏れと不整合をなくす
提出前には、目的が曖昧でないか、見積書と金額が一致しているか、添付資料や期限、承認経路に誤りがないかを確認します。「なぜ今必要か」「なぜこの案か」「いくらかかるか」「どのような懸念があるか」に答えられる内容になっているかもチェックしましょう。
よく使う表現と差し戻し理由をテンプレートに反映する
よく使う表現や差し戻しの理由は、テンプレートに反映して蓄積していくと効率化につながります。案件別にひな型を分け、記入例・必須資料・更新日・管理者をそろえておきましょう。個人の文章力に頼るのではなく、繰り返し発生する修正内容を次回以降の入力支援に変えていく運用が有効です。
稟議書の作成から承認までを仕組みで効率化する
書式の共通化と保管場所の統一から始める
まずはWordやExcelのひな型をそろえ、共有フォルダやファイル名のルールを統一すれば、作成や検索の手間の削減につながります。
ただし、最新版が分からない、承認状況を確認しにくい、承認後に別システムへ転記するといった課題が残る場合は、書き方や保管方法の改善だけでは解決しきれません。
ワークフローシステムで入力・回付・履歴管理をつなぐ
ワークフローシステムを導入すれば、入力支援で申請者の記入負担を減らせるとともに、承認ルートや通知で承認者への回付を効率化できます。進捗確認や過去申請の検索は、申請者や管理者の確認作業の削減にもつながります。
ただし、対応できる機能は製品ごとに異なるため、製品を比較する際には、自社で減らしたい作業に必要な機能があるかを確認することが大切です。
一人情シスは既存環境との連携と導入後の管理負担を確認する
一人情シスでは、既存のグループウェアと連携できるかだけでなく、人事異動や組織変更の際にどの程度の設定作業が必要かも確認します。導入支援や問い合わせ対応などベンダーの支援範囲も含め、導入後も無理なく管理できる製品を選ぶことが大切です。
稟議書の書き方・効率化に関するよくある質問
起案理由が思いつかないときは、何から考えればよい?
まずは、現状の課題と、そのまま対応しなかった場合に生じる影響を箇条書きにしてみましょう。そのうえで「何を改善したいのか」を整理すると、起案理由を組み立てやすくなります。
さらに詳しい考え方は、別記事「起案理由が思いつかない」でご紹介しています。
稟議書はどのくらい詳しく書けばよい?
一律に「何枚まで」と決める必要はありません。社内の書式に沿い、承認者が判断するために必要な情報を過不足なく記載することが基本です。仕様や比較資料など詳細な情報は添付資料に分け、本文は要点を読み取りやすくまとめましょう。
急ぎの稟議をスムーズに進めるには?
急ぎの場合は、希望する期限とその理由を早めに共有し、必要な資料や承認ルートを確認しましょう。関係部門への相談も社内ルールに沿って進めます。
急いでいても、事後申請を前提としたり正式な承認手続きを省略したりしないようにしましょう。
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