申請業務の手間を減らすを減らす方法
申請業務の手間を分解して見直す
申請業務は一つの作業に見えますが、実際には入力・承認・転記・管理という工程に分かれています。まずは、どの工程で誰に負担がかかっているのかを確認しましょう。
申請業務とは、申請書を出して承認を受け、必要な処理につなぐ仕事
申請業務とは、申請書を提出してから承認を受け、その後の処理につなげるまでの一連の流れを指します。たとえば購買申請では、担当者が申請書を作成し、上長が内容を確認・承認したうえで、発注や台帳の更新、書類の保管へと進みます。申請書や依頼書といった名称は会社によって異なりますが、名称そのものよりも、申請から処理完了までどのような流れで業務が進んでいるかに着目することが、手間を見直す出発点になります。
誰の、どの作業に時間がかかっているかを確認する
| 担当者 | 工程 | 手間 | 原因 | 改善策 |
| 申請者 | 入力 | 同じ情報を複数回入力している | 申請書の書式が統一されていない | 入力項目を必要最小限に整理する |
| 承認者 | 承認 | 承認までに時間がかかる | 承認ルートや権限が明確でない | 承認ルートと代理承認の条件を整理する |
| 管理者 | 転記・保管 | 承認後の転記作業が発生する | 承認結果が台帳と連携していない | 後続処理まで含めて見直す |
|---|
負担を調べるときは、入力や確認に実際にかかる作業時間と、承認待ちで止まっている経過時間を分けます。申請者の入力が楽になっても管理者の転記が増えるなど、別の担当者へ負担が移るだけの改善になっていないかも確認しましょう。
申請業務で手間が増える5つの原因
最新の申請書が見つからず、同じ情報を何度も入力している
申請書が複数のフォルダなどに分散していると、どれが最新版か分かりにくくなります。書式ごとに氏名や部署など同じ項目を何度も入力したり、記入例がなく担当者へ問い合わせたりすることも負担の原因です。書式だけでなく、保管場所や入力項目まで確認しましょう。
記入漏れや添付不足で差し戻しが繰り返される
必須項目の記入漏れ、金額と見積書の不一致、添付資料の不足などがあると、確認と差し戻しが繰り返されます。何を記載・添付すればよいか、承認者が何を基準に判断するかが分かりにくいことも原因です。申請者の注意不足だけでなく、書式やルールにも問題がないか確認します。
承認者が分からず、回付や催促に時間がかかる
紙の申請書では、誰の手元で止まっているか分からなくなることがあります。メールによる申請も、ほかの連絡に埋もれたり、承認者の不在で処理が止まったりすることもあります。承認経路や不在時の対応が明確でなければ、申請者が回付先を調べたり催促したりする手間も増えます。
承認後の転記・集計・書類検索が手作業になっている
申請フォームだけを電子化しても、承認後に内容を台帳へ転記したり、別の表で集計したりする作業が残れば、業務全体の手間は十分に軽減されません。過去の申請書や添付資料を探す作業も含め、申請後に誰が何をしているのかまで確認する必要があります。
人事異動やルール変更のたびに、管理者が設定を直している
組織情報やアカウント、承認経路、申請書式を別々に管理していると、人事異動や社内ルールの変更のたびに複数の修正作業が発生します。特に一人情シスでは、ここの作業の重なりが負担を大きくします。
システム導入前にできる、申請業務の手間を減らす方法
申請書と記入例を一か所にまとめ、不要な項目を減らす
まずは申請書と記入例の保管場所を一つにまとめ、最新版を誰が更新するか決めましょう。必須項目や必要な添付資料も明確にします。利用目的が分からない入力項目は関係部門と確認して見直しますが、承認や後続処理に必要な情報まで削らないようにしましょう。
承認ルート・判断基準・不在時の対応を明確にする
金額や部門、申請の種類ごとに承認ルートと判断基準を整理します。承認者が不在の場合に代理承認できるのか、誰に権限があり、どのように記録を残すのかも社内規程に沿って決めておきましょう。効率化を理由に、現場判断で必要な承認を省略することは避けます。
重複入力と承認後の作業を洗い出す
氏名や部署、金額など同じ情報を何回入力・転記しているかを確認し、どのデータを基準にするか決めます。改善の優先順位は、月間の申請件数や1件あたりの作業時間、差し戻し率などを参考に判断しましょう。最初は負担が見えやすい申請を一つ選ぶと、改善効果も検証しやすくなります。
申請業務の電子化でできることと、ツールの使い分け
フォーム・共有ストレージで入力と保管を整える
単純な申請受付であればフォームで入力項目を統一し、共有ストレージへ資料を集約する方法もあります。書式のばらつきや保管場所の分散を減らすには有効です。一方、複数段階の承認や承認履歴の管理まで必要な場合は、それらの機能を別途用意する必要がないか確認しましょう。
専用システムと汎用ワークフローを業務に合わせて選ぶ
| 比較軸 |
専用システム(経費・人事など) |
汎用ワークフローシステム |
| 対象業務 | 特定の業務を中心に扱う | 複数種類の社内申請を扱える製品がある |
| 承認フローの複雑さ | 対象業務向けの承認機能を確認 | 条件分岐・合議などの対応範囲を確認 |
| 後続処理 | 対象業務の処理との連携を確認 | 他システムへの連携方法を確認 |
| 既存システムとの重複 | 既存機能との重複を確認 | 既存システムとの役割分担を確認 |
| 管理担当 | 業務部門・情シスなど運用体制を確認 | 横断管理する担当者と負担を確認 |
経費精算や人事など特定用途のシステムと、複数の申請を扱う汎用ワークフローでは、役割が異なります。対象業務、承認ルート、後続処理、既存システムとの重複、管理担当を整理し、自社の負担を減らせる方式を選びましょう。
入力支援・通知・進捗確認で申請と承認を進めやすくする
記入漏れが多いなら必須項目のチェック、承認待ちが多いなら通知や進捗確認など、課題と機能を対応させて考えます。金額や部門によって承認経路を変える機能や、過去の申請を検索する機能が役立つ場合もあります。ただし、搭載機能や提供条件は製品ごとに異なるため確認が必要です。
データ連携で承認後の転記を減らす
承認後の転記を減らすには、どの申請データを、どのシステムのどの項目へ渡すかを整理します。連携を実行する条件や、エラー時に確認する担当者も決めておきましょう。OCRやRPA、AIも補助策になりますが、すべての作業を自動化できるとは限りません。
一人情シスが確認したいワークフローシステムの選び方
既存アカウントや組織情報をどこまで活用できるか
利用中のグループウェアと連携できるかに加え、どの情報が連携対象になるか、組織変更時にどのような作業が発生するか、権限の設定方法まで確認します。「連携できる」という表記だけで判断せず、実際に二重管理がどこまで減るかを具体的に確認することが重要です。
フォーム・承認経路を誰が作成し、変更するか
フォームや承認経路を誰が作り、日常的な変更を誰が担当するかも重要です。担当者自身で変更できる範囲、個別設定やベンダー対応が必要な範囲を確認しましょう。また、利用者側の操作性だけでなく、管理画面やマニュアル、変更内容の検証方法、担当者交代時の引き継ぎやすさも比較します。
費用・権限管理・サポート範囲が自社に合うか
費用については、利用人数や最低契約数だけでなく、初期設定や教育、保守に必要な工数も含めて検討します。閲覧・編集権限をどこまで分けられるか、操作履歴やデータを保管・出力できるかも確認しましょう。導入支援や問い合わせ対応の範囲も含め、一人情シスでも継続して管理できるかを見極めることが大切です。
申請業務を段階的に電子化する進め方
対象業務を一つ選び、現状の負担を測る
最初からすべての申請を電子化する必要はありません。一定の件数があり、関係者とも改善の必要性を共有しやすい業務を一つ選びましょう。担当者や期限、成功と判断する基準も決めてください。
導入前には、申請書の作成時間、承認までの経過時間、差し戻し率、転記時間、問い合わせ件数などを数値で把握しておきます。
フォーム・承認経路を設計し、例外も含めて試す
フォームと承認経路を作成したら、通常の申請だけでなく、金額による経路の分岐、差し戻し、代理承認なども試します。人事異動や組織変更が発生した際の設定も確認しておくと安心です。申請者・承認者・管理者がそれぞれ実際に操作し、業務を再現できるかを確かめましょう。
マニュアルと窓口を用意して運用を切り替える
本格運用の前に、記入例や問い合わせ先、開始日、旧書式の扱いをあらかじめ周知しておきます。紙の申請と電子申請が並行する期間についても、いつ、どのような条件で二重運用を終えるかを事前に決めておくことが大切です。
効果と管理負担を確認して、他の申請へ広げる
効果を確認する際は、導入前に把握した指標と同じ項目を導入後にも測定し、比較します。削減できる時間の見込みは、たとえば「1件当たりの削減時間×月間件数」といった計算式で試算できますが、これはあくまで架空の例であり、実際の削減率を示すものではありません。設定変更や問い合わせの増減も確認し、運用を整えたうえで、対象とする申請を段階的に増やしていきます。
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