製造業のワークフローシステムの選び方と事例
承認印のリレーや図面確認の遅れは、製造リードタイムと品質に直結する深刻な課題です。解決の鍵は、現場作業者が扱える操作性とモバイル対応を備えたワークフローシステムの導入にあります。
製造業が直面するワークフローの
課題
広い敷地を移動する「承認印探し」
による時間のロス
広い工場の場合、敷地内での承認者探しだけでも移動時間と待ち時間が生まれてしまいます。決裁者がすぐに捕まらないと、着手のタイミングが後ろ倒しになり、現場の進行に影響が出ることも。
また、承認印をもらうために社内を移動する手間は、現場の本来業務とは直接関係のない作業で、担当者の負担です。
4M変更・図面承認の遅延
=ライン停止
人(Man)、機械(Machine)、材料(Material)、方法(Method)のいわゆる「4M」の変更承認が滞れば、製造に入れません。図面承認の遅れも同様です。口頭承認で進めると、トラブル発生時に原因追及が困難になります。承認は製造開始の合図であり、品質保証の重要ゲートです。
ISO・品質監査への対応工数
監査時に承認履歴や旧図面が即座に見つからない状況は、担当者の工数を圧迫する要素のひとつ。紙運用では検索性が低く、文書管理の不備を指摘されるリスクも高まります。
製造業におけるシステム選定の
失敗パターン
機能の多さだけで選んだ場合、複雑な操作画面に現場が混乱し、定着しない可能性があります。また、モバイル未対応のシステムは巡回中の承認者がその場で処理できず、承認の滞留を招きがちです。
さらに、紙帳票のレイアウトを再現できない製品は、記入ミスや確認漏れを誘発しやすく、現場の運用を崩壊させる恐れがあります。
製造現場に馴染むシステムの
選び方
タブレット・スマホ端末に
対応しているか
モバイル端末で巡回中の承認者がその場で決裁できれば、案件の滞留は減少。さらに、通知機能によって承認が止まっている工程を可視化できるため、製造の待ち時間削減にもつながります。
紙・Excel帳票の「見た目」を
再現できるか
現場が使い慣れている報告書の様式をそのまま活かすことが、定着を進めるポイントです。入力項目が分かりやすければ記入ミスも減り、スムーズな移行が期待できます。
図面を添付できる容量と検索性が
あるか
図面や写真を添付できれば、承認者はより正確に判断できるようになり、差し戻しが減ります。また、過去の承認履歴を即座に検索できる機能も、監査対応や技術伝承における属人化解消に欠かせません。
要件別に見るクラウド
ワークフローシステム
おすすめ3選
このように、業務文化や運用環境によって選定のポイントは変わってきます。以下の記事では、Google/M365連携、経理一体化、スマホでノンデスク対応など、要件別におすすめのクラウドワークフローシステムを掲載しています。比較・検討の材料としてお役立てください。
【要件別】おすすめの
クラウド
ワークフローシステム3選
製造業のクラウドワークフロー
システム導入事例
【IDEC】申請を統一し、
処理工数を「7分の1」へ
導入前の課題
オンプレミス環境の保守切れに加え、部署ごとにExcelや紙、メールで申請が行われていたIDEC。手段がバラバラで進捗が追えず、管理負荷が増大していました。
導入の効果
「グルージェントフロー」を導入し、ワークフローを電子化したことで、申請業務を統一してプロセスを可視化。その結果、経理処理では工数を7分の1に圧縮でき、ペーパーレス化によるコストも20〜30%の改善が見込まれています。
【ハナマルキ】3〜4日かかっていた
申請が中1日に短縮、紙も大幅削減
導入前の課題
ハナマルキでは、メールサーバーやファイルサーバーが容量逼迫を起こしていました。コロナ禍でも業務を止めない体制構築が急務となり、脱ハンコとシステム刷新に踏み切ったのです。
導入の効果
「rakumo ワークフロー」の導入により、外出先からのモバイル承認が可能になり、決裁スピードが従来の3~4日から、中1日にまで短縮されました。年間60万枚だった紙の発注枚数も約37万5,000枚まで削減され、保管スペースの有効活用も進んでいます。
クラウドワークフローシステムの
導入を成功させるには?
現場作業者がストレスなく使えるかどうかの見極めが、導入を成功させるポイントです。クラウドワークフローシステムの導入時は、「現場で迷わないUI」「モバイル対応」「既存帳票の再現性」を満たす製品を選ぶべきだと言えます。
当メディアでは他にも建設業・小売業など、業種別にクラウドワークフローシステムの選び方を解説しているので、ぜひ参考にしてください