スタートアップ企業のワークフローシステムの選び方と事例
組織が急拡大する中、現場のスピード感を損なわず、IPO準備を見据えた内部統制を整備することはスタートアップ企業にとっての急務。現場を縛る管理ではなく、現場が自然と使い続けられる「動線」の設計が、システム導入成功の鍵です。
本記事では、スタートアップ企業に適したワークフローシステムの選び方や導入事例をまとめています。
急拡大するスタートアップ企業が
直面する課題
承認フローを整えようと厳格なルールを敷いてシステムを導入すると、現場からの反発が起こるリスクがあります。チャットや口頭での「裏ルート承認」が横行し、統制のためにシステムを導入したはずが、逆に統制不能な状態を招きかねません。
特にSlackなどチャット中心の企業文化では、承認のためだけに別システムへログインすることが、現場にとって大きな手間に感じられるものです。
また、ツール間の移動や通知の見落としが意思決定スピードを鈍化させ、企業成長のボトルネックとなることもあります。
スタートアップ企業で
起こりやすいシステム選びの
失敗例
機能の豊富さだけで選び、現場の使い勝手を軽視してしまうのは、システム選びにおける失敗の典型です。ログインに手間がかかるシステムはすぐに形骸化し、結局チャットでの承認に戻ってしまうなど、投資が無駄になることもあります。
また、ログ保存や権限管理が不十分なツールを選んでしまい、IPO直前の監査に耐えられず後になってリプレイスを迫られるケースも珍しくありません。
自社開発やOSSでの運用も、エンジニアのリソースを圧迫し、改修が追いつかなくなる原因です。
スタートアップ企業が重視すべき
システム選定のポイント
「現場が使う動線」の確保と、将来の「監査に耐える証跡」を両立できるかが判断基準です。
SlackやMicrosoft Teams上で
「承認完結」できる
チャット通知だけでなく、承認まで完結できるかどうかが重要です。業務の起点であるチャット内で完結すれば、ログインの手間がなくなり決裁が滞りにくくなります。
IPOに耐えうる「監査ログ」と
「権限管理」が備わっている
上場審査では、「いつ・誰が・何を承認したか」の正確な記録が求められます。改ざん不可能な監査ログや、閲覧・承認範囲を制御する権限設定が必要になる場面も出てくるでしょう。
現場の操作はシンプルにしつつ、裏側では堅牢な証跡が残るシステムを選ぶことで、将来の監査対応リスクを抑制できます。
メンテナンスのしやすさ
専任担当者がいない、または少人数であっても、無理なく運用できるかどうかが重要なポイントです。
ノーコードで設定を変更でき、サポート体制も整っていれば、組織変更があっても柔軟に対応できます。エンジニアの手を煩わせることなく、運用を続けられる点もメリットです。
要件別に見るクラウド
ワークフローシステム
おすすめ3選
このように、業務文化や運用環境によって選定のポイントは変わってきます。以下の記事では、Google/M365連携、経理一体化、ノンデスク対応など、要件別におすすめのクラウドワークフローシステムを掲載しています。比較・検討の材料としてお役立てください。
【要件別】おすすめの
クラウド
ワークフローシステム3選
スタートアップ企業のクラウド
ワークフローシステム導入事例
【日本情報通信技術】毎月250枚
以上の印刷がゼロへ
導入前の課題
紙による回覧や差し戻しで印刷コストがかさみ、確認の手間も発生していました。情シス部門がなく、本社機能わずか6名という体制のため、導入に割けるリソースも限られていたのが当時の日本情報通信技術の課題でした。
導入の効果
ワークフローシステム「グルージェントフロー」の導入によって、毎月250枚以上の印刷が不要となり、書類を探す手間も解消。テンプレートを活用することで、少人数でもスムーズに申請フォームを増やせるようになり、無理なく運用を定着させています。
【Finatext】Slack連携と強力なAPIで全社の申請を集約
導入前の課題
Fintech領域で事業を展開し急成長するFinatextでは、既存ワークフローのSlack通知に十分な情報が載らず、ノールックでの承認を促して形だけのワークフローになってしまう課題がありました。申請の検索性や操作性も低く、さらにAPI連携の弱さから自動化が進まず、申請がチャットに散在して統制が取りづらい状況でした。
導入の効果
Slack連携の改善により適切な承認が行えるようになり、検索性や操作性も向上。分散していた申請をkickflowに統一し、フォーム数は3分の1へ整理されています。API連携で基幹データ更新も自動化され、急成長企業として求められるガバナンスと業務効率化を両立できました。
クラウドワークフローシステムの
導入を成功させるには?
「今の使いやすさ」と「将来の監査対応」のバランスを見極めるのが導入成功の鍵です。現場がストレスなく使える動線があって初めて、正しいデータが蓄積され、IPO準備にも耐えうる内部統制が完成します。
規模や課題に合わせて最適なツールを選定し、成長を加速させるワークフロー環境を構築しましょう。
当メディアでは他にも、大企業・中小企業など、規模ごとにクラウドワークフローシステムの選び方を解説しています。システム選定の参考にしてください。