ワークフローシステムの費用対効果とは?
ワークフローシステムの導入を検討する際、「費用対効果が算出しづらい」という理由で決裁が難航するケースは珍しくありません。本記事では、ワークフローシステム導入における費用対効果の考え方や、具体的な算出ステップ、導入によって得られる効果と企業の成功事例について分かりやすく解説します。
ワークフローシステム導入における費用対効果の考え方
費用対効果を算出する際は、計算しやすい「定量的」な効果だけでなく、目に見えにくい「定性的・潜在的」な効果も併せて考慮することが重要です。顕在的な額面コストの削減だけでは、システムの真の価値を測りきれません。ここでは、費用対効果を算出する際の基本的な考え方を解説します。
定量的な効果(人件費や経費の削減)
定量的な効果とは、数値として明確に表れるコスト削減のことです。具体的には、申請や承認にかかる作業時間と時給から算出する「人件費(件数×時間×時給)」の削減が挙げられます。また、紙の申請書を使用する際の印刷代(用紙代やインク代)、郵送費、書類の保管に関わるスペース代などの「経費」の削減も、定量的な効果として計算できます。
定性的な効果・潜在的コストの削減
一方、金額で表しにくい定性的な効果や潜在的コストの削減も重要です。例えば、意思決定スピードの上昇やナレッジマネジメントの強化など、組織全体の生産性向上が挙げられます。さらに、特定の担当者に依存する「属人化」による業務停滞リスクや、担当者の退職・引き継ぎに関わる見えない潜在的なコストを削減できる点も、システム導入の大きなメリットです。
ワークフローシステムの費用対効果を算出する5つのステップ
社内稟議を通すためには、説得力のある数値シミュレーションが不可欠です。ここでは、自社の業務に当てはめて費用対効果(ROI)を算出するための、具体的な5つのステップを順を追って解説します。
ステップ1・2:業務フローの棚卸しと所要時間の精査
まずは現状の申請・承認プロセスを可視化し、業務フローの棚卸しを行います。既存のフローが明確になったら、作成、回覧、承認など各工程にかかっている平均的な所要時間を精査します。これにより、システム化(電子化)した場合にどれだけの作業時間を削減できるかを割り出します。
ステップ3:申請に関わる人件費の計算
次に、ステップ2で割り出した時間を基に人件費を計算します。「申請件数 × 1件あたりの対応時間 × 時給」の計算式を用いて、システム導入前と導入後の人件費をそれぞれ算出します。この2つの数値を比較することで、導入によって削減できる人件費の差額が明確になります。
ステップ4:申請に関わる経費の洗い出し
申請業務において現状かかっている経費(印刷代、郵送費、保管コストなど、紙にまつわるコスト)を洗い出します。そして、システム導入後に新たに発生する月額利用料などのランニングコスト(運用経費)と比較し、システム化による経費の削減額(または増加額)を整理します。
ステップ5:費用対効果(ROI)の算出
最後に、ステップ3と4で求めた人件費と経費の削減額の合計を「利益」とし、システムの初期費用や導入後の運用コストを「投資額」として、ROI(投資利益率)を算出します。「利益額 ÷ 投資額 × 100(%)」の計算式に当てはめることで、投資に対してどれだけの効果が得られるかをシミュレーションできます。
ワークフローシステム導入で得られる具体的な効果
ワークフローシステムを導入することで、計算上のコスト削減だけでなく、業務の現場にさまざまな改善効果をもたらします。ここでは、具体的にどのような効果が得られるのかを解説します。
意思決定スピードの向上とチーム横断の効率化
スマートフォンやタブレットを活用すれば、外出先やリモートワーク中でも承認作業が可能になります。承認待ちのタイムラグがなくなり、営業から経理・法務など部署をまたぐ連携もシームレスになるため、組織全体の意思決定と業務スピードが飛躍的に向上します。
転記作業の撲滅とペーパーレス化
紙の書類やエクセル間でのデータ転記、変換作業といった手動の手間が省けます。これにより、ペーパーレス化が推進されるだけでなく、入力ミスなどのヒューマンエラーが防止され、作業品質とデータの正確性が大きく向上します。)
まとめ
ワークフローシステムの費用対効果を正確に評価するには、人件費や経費といった顕在的なコスト削減だけでなく、属人化による隠れたコストや意思決定のスピードアップといった定性的な業務効率化を含め、総合的に判断する必要があります。見えないコストや時間の変化を考慮し、適切にシミュレーションを行うことで、社内稟議をスムーズに進め、企業の競争力向上につなげましょう。