稟議に使うワークフローシステム
稟議とワークフローシステムの違い・関係を整理しよう
稟議は社内で承認・決裁を得る手続き、ワークフローは業務の流れ
| 用語 | 意味 |
| 稟議 | 個人の権限だけでは決定できない事案について、上司や関係部署の承認・決裁を得るための社内手続き |
| 申請 | 稟議などの手続きを進めるために、担当者が起案書や書類を提出すること |
| 承認 | 申請内容について、上長や関係部門が内容を確認し可否を判断すること |
| 決裁 | 最終的な権限者が、実施の可否を正式に決定すること |
| ワークフロー | 起案から承認、決裁に至るまでの一連の流れや仕組み全体 |
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稟議は、担当者だけでは判断できない事案について、上司や関係部署の承認・決裁を得るための社内手続きです。一方、ワークフローは業務を開始してから完了するまでの流れ全体を指します。稟議もワークフローの一つであり、経費精算や休暇申請、各種届出などにもワークフローは使われます。
稟議システム・電子稟議システム・ワークフローシステムの関係
稟議システムや電子稟議システムは、稟議書の作成や回覧、承認・決裁を電子化するために利用されます。一方でワークフローシステムは、稟議に加えて経費精算や各種申請など、申請・承認を伴う幅広い業務に対応する仕組みです。
ただし、名称だけで各製品の対応できる業務を判断することはできません。実際の機能や承認経路の設定範囲などを確認し、自社の稟議に対応できるかを製品ごとに比較することが重要です。
稟議のワークフローはどう進む?申請から決裁・保管まで
起案・申請から確認・承認、最終決裁までの基本フロー
(図:起案・申請 → 上司の確認 → 関係部門の審査・合議 → 決裁 → 通知・保管)
SaaS導入や備品購入などの稟議は、担当者が起案・申請し、上司の確認や関係部門の審査・合議を経て、権限者が決裁するのが基本的な流れです。決裁後は申請者への通知や文書の保管へ進みます。ただし、実際の順序や承認・決裁権限は各社の規程によって異なります。
金額・部門による分岐と、合議・代理承認・差し戻し
稟議では、金額や内容に応じて決裁者が変わったり、経理・法務など複数部門へ並行して承認を求めたりする場合があります。たとえば「10万円未満は部門長決裁」といった基準は説明用の仮設定です。不在時の代理承認や差し戻しも含めて設計し、「事前相談や根回し」と「正式な承認」は区別しなければなりません。
決裁後の発注・台帳更新・証跡管理まで確認する
決裁後は経理・購買部門へ引き継ぎ、発注手続きへと進みます。決裁が下りた時点と、発注・支払いが完了した時点は別の段階であり、混同に注意が必要です。稟議書など関連文書を検索・保管できる状態にしておくことも、ワークフロー設計時に考慮しておくべき点です。
稟議をワークフローシステム化するメリット
承認待ちと催促を減らし、決裁までの時間を短縮する
ワークフローシステムでは、申請ごとの進捗状況を確認できるうえ、承認者への通知や外出先からの確認にも対応できます。導入前後の決裁所要時間や催促回数を比較すれば、導入の効果を実感できるでしょう。
紙・Excelの配布、転記、保管にかかる手間を減らす
紙やExcelでの運用では、申請書の印刷・回覧や版管理、過去の書類を探す作業に手間がかかりますが、システム化することによって、これらの転記・保管の手作業を減らせます。
なお、既存のExcel様式を入力フォームとして活用することと、Excelファイルをメールで回覧する運用とは別の話であり、区別が必要です。
承認履歴と権限を管理し、内部統制を支える
誰が、いつ、どの申請を承認したかという履歴を残せること、また、文書ごとに閲覧権限を設定できることもシステム化のメリットです。承認経路や権限を適切に管理すれば、内部統制を支える仕組みとして有効に機能するでしょう。
ただし、システムを導入するだけで不正や規程違反を防げるわけではありません。適切な権限設定や社内ルールの整備が前提です。
稟議に必要なワークフローシステムの主な機能
申請フォーム・テンプレートと入力チェック
稟議の目的や金額、添付資料など、必要な項目を入力できるフォームやテンプレートが用意されているかを確認します。必須項目の入力漏れや形式の誤りを防げるか、また、自社で現在使っている申請様式に対応できるかも比較のポイントです。
承認ルートの条件分岐・合議・代理承認
通常の承認ルートだけでなく、金額や部門に応じた分岐、複数部門による合議、決裁者不在時の代理承認などを再現できるか確認します。申請後に承認経路を変更できるか、人事異動時に組織情報を反映できるか、変更履歴が残るかも重要です。
進捗確認・通知とスマートフォンからの操作
申請がどこで滞留場所を確認できる機能や、承認者への通知機能、差し戻し理由を共有する機能があるかを確認します。スマートフォンについては、通知を受け取れるだけなのか、あるいは、端末上で内容確認や承認、差し戻しまで行えるのかを確認しましょう。
文書検索・承認履歴・アクセス権限
過去の稟議書や添付ファイル、承認履歴などを検索・出力できるかも確認が必要です。あわせて、文書の閲覧・編集権限を利用者や部署ごとに設定できるかを確認しておくと、証跡管理や情報管理にも役立ちます。
既存グループウェアや会計・文書管理システムとの連携
既存環境との連携では、認証や組織情報を同期する機能と、承認後のデータを会計・文書管理システムなどへ渡す機能を分けて確認します。APIやCSV、標準コネクタなど連携方法によって、設定の手間や追加費用が異なるため、対応範囲とあわせて製品ごとに比較しましょう。
中小企業が導入前に確認したい費用と運用上の注意点
初期費用・月額料金・最低利用人数を含めて比較する
費用については、初期費用や月額料金だけでなく、最低ID数、最低契約期間、オプション、連携先の費用、税区分まで条件をそろえて比較します。加えて、設定や社内教育、保守にかかる工数も含めた年間費用を算出し、システム化で削減できる作業量と見合うかを確認しましょう。
人事異動・組織変更に伴うメンテナンスを確認する
人事異動や組織変更の際に、アカウントや承認ルートを誰が、どのように変更するのかを確認します。申請中案件への影響もデモで確かめましょう。一人情シスが不在でも対応できる手順や、各部門に任せられる設定範囲を整理しておくことも重要です。
操作教育・サポート・障害時の代替手順を用意する
申請者・承認者・管理者それぞれの立場で操作性を試し、サポート内容や費用、問い合わせ方法も確認します。また、障害時における緊急決裁の方法、復旧後の承認記録の残し方など、あらかじめ運用ルールを決めておくことも求められます。
稟議のワークフローシステムでよくある質問
無料の稟議システムでも運用できる?
無料プランでも、小規模な運用であれば対応できる場合があります。ただし、利用人数や申請件数、保存期間、承認ルート、権限設定、サポート範囲などに制限がないか確認が必要です。
なお、無料プランと期間限定のトライアルとは条件が異なります。将来の有料移行も考慮しながら、適切に判断しましょう。
ExcelやMicrosoft 365で自作する方法と、専用製品はどう選ぶ?
ExcelやMicrosoft 365で自社で仕組みを作る方法もありますが、開発や保守の担当者、異動時の引き継ぎ、例外対応、証跡の残し方、追加ライセンスの要否などを専用製品と比較する必要があります。
既存の稟議書をそのまま使える?複雑な承認ルートにも対応できる?
既存の稟議書をそのまま使えるかどうかについては、帳票の見た目や入力項目、添付ファイルの利用、Excel取り込みなど、複数の観点を分けて確認する必要があります。合議や条件分岐など自社独自のルールを実際に持ち込み、試用期間中に検証することをおすすめします。
稟議の流れを整理し、少人数で運用できるシステムを選ぼう
稟議のワークフローを電子化する際は、まず「稟議の種類」「承認条件」「利用人数」「既存環境」「管理担当」を選定前のチェック項目として整理しましょう。そのうえで、製品比較表や無料トライアルなどを活用し、自社の承認ルートや運用方法を実際に再現できるか確認します。候補を絞り込んだら、機能の詳細や料金、サポート内容まで十分に確認し、自社で無理なく運用を続けられる製品を選ぶようにしましょう。
製品選びに迷っている担当者様は、以下の記事も参考にしてください。
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